【軽トラで気軽に運送業を開業した人】
・軽貨物運送をやるきっかけ
今は立派なおじさんになってしまった人ですが、
軽貨物運送業の会社をやっている社長(iさん)が、
軽トラックで運送業を始めた時の話です。
大学卒のiさん当時30歳代は、
機械のレンタルショップの会社に勤務していました。
建設機械や製造機械などの貸付の仕事をしていました。
建設業者等が機械を借りに来ますから、
機械の簡単な説明をして貸し付けの事務をしたり、
レンタル用の機械の管理整理をする仕事をしていました。
別に機械が好きなわけでもなく、
なんとなく勤めていたそうです。
そこの会社には、他の会社から
機械の部品や書類などの荷物が送られて来たり、
送ったりしていました。
その会社には、決まった運送業者(軽貨物自動車運送業者)の人が来ていました。
年配の男の人です。
その軽トラの年配の人は、
自分が中年の頃に軽トラックを買って
軽貨物自動車運送業で独立開業したのです。
レンタルショップのお店での仕事は、
ほとんど店内にいて外に出ることはありません。
ずっとお店の中にいて、
来客の相手をしたり事務仕事をしているのです。
iさんは、もともと事務仕事が好きでないようで、
仕事中にお店の外に出たいと思うようになっていたのです。
朝出社したら夕方までずっと店内にいて、
オリの中にいるようだったとのことです。
軽トラ運送の年配の人が
自由に思えうらやましくなってきました。
配達の時によく話をするようになったある時、
「そんなにいいと思うなら、
軽貨物自動車運送業は簡単に独立できるから やってみるか」
と誘われたのです。
もともと、運転が好きな人だったのです。
誘いに乗り、休みの日に助手をやってみたそうです。
会社が休みの時、
軽トラの横に載って配達を手伝いました。
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・年配の人の軽貨物自動車運送業の仕事内容
その年配の軽トラの人は、
大手の運送会社の下請け外注をやっているそうです。
まず大手の運送業の入出荷センター(倉庫)に行き、
指定された荷物を軽トラに載せます。
自分のエリアにある会社に荷物を配達に行くのです。
時々は長距離もするそうです。
手伝った時には、
身近な市町村にある会社に荷物を運んでいました。
荷物の送り先名を見れば頭に入っているようで、
配達するコースの順番に配れるように考えて
荷物を積んでいきます。
ほとんど配達先は、会社だったようです。
ずっとレンタルショップの店内にいっきりの仕事でしたから、
年配の人の軽トラに乗って、
あちらこちらに行くことが楽しかったようです。
開放的で魅力を感じたと言っていました。
楽しくてお金がかせげればいいなあと思ったようです。
その後も、有給を取り
もう少し助手のアルバイトをやってみたらしいのです。
軽貨物運送の仕事は、
軽トラックと燃料代、高速料金、保険料その他維持費などで、
大した費用がかかりません。
事務所も経験もいらず、
大した投資もなく開業できます。
軽貨物自動車運送業で独立しようと考えました。
・軽貨物運送業者のところでアルバイトをして、 転職の決意
よく考え、その年配の軽トラの運送業をしている人の
仕事を手伝うことにしました。
独立を前提とし、
しばらくその軽トラ貨物の個人業者で
アルバイトをすることにしたのです。
株式会社の従業員から、
個人業者のアルバイトへの転職の決意は無謀な気がします。
割と大きなレンタル会社から、
個人業の軽貨物運送のアルバイトに転職することは若いからできます。
中年以降になったら賢くなっていますし、
再就職の難しさもしっていますから、
へんな冒険はしません。
大きな会社の方が安全で安定していますから
辞めないと思います。
夢よりも現実を見ると、
大きな会社にいた方が給与も保障もあっていいと思うのです。
しかし、若いとどんどん行動できます。
この人にとっては、
お店や倉庫の中にいることが辛くて仕方がなかったと思います。
当時まだ結婚もしていなく、
独身で 親の家に住んでいましたから、
お金に困ったこともなかったようなのです。
・独立を応援してくれる人
仕事は年配の人が、
知り合いから空いている軽トラを借りてきて、
その年配の人が受けた運送の仕事を、
iさんが一人でするようになりました。
軽トラの荷物の受け取りや配達の仕方は
何回かやれば簡単に覚えられるそうです。
「大手の運送会社の倉庫に行って指定の荷物を受け取って、
送り先が書いてあるからそこに届ければいいだけだよ。簡単だよ」
と言っていました。
独立前提で見習い のようなつもりでやっていましたが、
何か月もしないうちに、
いつも荷物を取りに行っている大手の運送業の役職のついた人に
「早く自分でやりなよ。もうできるだろう。応援するよ。」
と言われたらしいのです。
その内、年配の人からも
「ももういんじゃない」と言われ、
独立することに決めました。
・組合に入り軽貨物運送で独立開業する。
iさんは、軽トラの年配の人のところで
ちょっとアルバイトしただけですぐに
陸運局に軽貨物運送者の届け出を出して開業しました。
独立に際し軽貨物運送の組合に入りました。
軽貨物運送業をやるに際し、
組合に入ると
その組合の指定の軽トラックを買い、
毎月組合費を払えば、組合が仕事を斡旋してくれます。
その年配の人も入っているようで、
「独立するなら○○組合に入るといいよ」
「開業の手続きや仕事のあっせんをしてくれるから」
と教えてもらい、
組合に、入会金やトラック代などを含めて
200万円弱のお金を支払いました。
運賃や開業・経営相談も受け付けてくれます。
200万円弱のお金がかかりますが、独立開業をするのに、
この位の資金で開業ができるのは大変少ない方です。
飲食店などお店を出す仕事だと、
こんな金額では全然たりません。
組合の指定の配色がペイントされた軽トラックが来ました。
○○運送と書かれた自分の事業者名も入っています。
黒ナンバーの軽自動車は営業車として登録された証です。
誰が見てもあの組合の軽貨物運送ということで信用されます。
荷受取りのトラックターミナルに荷物を取りにいくのも
荷物を会社に届けるのも誰が見ても
運送屋さんだとわかり信用されます。
何の配色もない普通の軽トラックや軽バンだと、
黒ナンバーであっても守衛に止められたり、
大きな運送業者の外注の仕事を取るのにも取りづらいそうです。
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・仕事が増えていった
軽貨物の仕事を勧めてくれた
年配の人のところでアルバイトをしていたおかげで、
大手の運送会社にそのまま出入りすることができました。
そこの外注になれました。
組合からも仕事が斡旋されてくる そうでした。
(今は昔に比べて組合からの紹介は少なくなったようです)
配達していると、よく荷物を届ける会社の人から、
直接頼みたいという会社が現れるようになったのです。
このiさんは元気で明るくて楽しそうな人柄です。
よく配達するところの会社の中に
「これも、届けてくれないか」
と依頼を受けることができてきました。
自営業者ですから好きに仕事を取ってもいいのです。
その場で依頼を受け、
今積んでいる荷物が配達し終わってから行く場合も
でてくるようになりました。
さらに、遠くの会社に届けることも出てきました。
その会社の隣県の工場や関係工場に
定期的に部品などを届ける仕事も受けるようになったのです。
そうやって独自の客を増やすことができるようになってきました。
その他にも、組合からの斡旋もあります。
また紹介してくれた
年配の人が受けきれなくなった仕事も回してくれ、
開業当初は仕事がたくさん取れていたそうです。
そして自分が直接取った仕事でも、
自分が配達中の場合には、
逆にその年配の人に仕事を依頼することもあったのです。
その後もiさんに依頼する会社は増えていきました。
その年配の人には軽トラの仲間がいるので
その人の知り合いの軽トラ運送の人を外注として
仕事を依頼することも増えてきたのです。
そういう噂は業会に広まるので、
他の軽貨物運送業を営む個人業者から仕事を受けますと
連絡が来るようになり
どんどん仕事を取って行ったそうです。
いい外注さんを選べるようになることも
信用につながります。
手数料を差し引いて外注を雇うことで収入が増えていきました。
バブル後の話ですが、
バブル後でも仕事が取れた人もいたようです。
【定年後、脱サラで独立して軽貨物運送を始める】
軽貨物運送業の仕事は
定年退職したサラリーマンだった人も多く、
未経験者でもできるようです。
60歳からも始める人もいるそうです。
最近は中小企業の工場が全然だめ になってしまったので
外注さんに出す仕事はかなり減っているそうですが、
それでも普通にやれば
月に20万円位なら取れるだろうと言っていました。
でも仕事はかなり減っている から、
どうかなあとも付け加えていました。
そのくせ私には、「やりなよ」と勧めるのです。
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