【資格も経験もない奴には仕事がない】
学校を辞めた二十歳の時、仕事を求めて職業安定所に行った時、年配の職員に、
「資格も経験もない奴には仕事がない」と言われ絶望的でした。
学校を辞めると、学生という肩書はなくなり、無職になります。
いい若い者が仕事もせずにプラプラしていると言われてしまいそうです。
仕事がないという絶望感はショックで、
今の自分が「無職の人」となってしまったこともショックでした。
大人の言うことを思い出します。
「一生懸命勉強していい大学に行って、いい会社に勤めれば、
いい給料がもらえお金がたくさんはいる。お金があれば何でも買える」と
でも、お金はいっぱい欲しくないから勉強しなくていいのかと思っていました。
今さら、進学して、もう国語や英語なんてやりたくありません。
勉強なんかやりたくないのです。
だいいち、学費なんて払うお金はうちにはないし、
奨学金がもらえるほど学力もありませんから。
とにかく絶望的な20歳でした。
周りを見渡せば専門学校や大学に進学している同級生は多かったのです。
周りの金持ちの奴らがうらやましくて仕方がありませんでした。
小中高と同じように過ごしてきたようでも、
高校を出ると、みんな金持ちの家の子であることがわかりました。
いい大学に行って風呂付のアパートに住んで
休みは親の高級セダンに乗っている連中が多かったです。
しかし、金持ちの子ばかりが大学に行っているわけでないことを知りました。
そう言えば同級生でも、
新聞配達をしながら大学に行っている奴もいると聞いたことがあります。
また、既に働いている奴らだってたくさんいるのです。
自分ばかりが辛いように思えたけれど、
他の高卒の奴らはどんな仕事をしているのだろう?気になりました。
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【仕事に役立つ資格を取ろうと考えるようになるまで】
・資格を取ろうと考えた
「資格も、経験もない奴に・・・仕事がない。」と言うことが頭から離れず、
どうしようかと悩んでいました。
仕事をさせてもらえないなら経験はできない。ならば、資格を取るしかないな。
簡単な資格なら何とかなるのではないかと考えました。
親が、学歴が必要だとか、資格は必要だとか言っていたことを思い出しました。
・他の連中はどんな仕事をして、どんな資格を持っているのか
他の同級生たちはどうしているのだろうかと、気になります。
中学校の同級生とは交流があったので、
他の高卒の友人達はどんな仕事をしているのか、聞いてみました。
友人の多い友人で仲のいい奴がいましたから、彼に色々聞いてみました。
彼は、商業高校を出て専門学校を中退した後、車販売の営業の仕事をしていました。
商業高校を卒業する時に、学校が就職先を斡旋してくれて、
ほとんどの学生が卒業時には就職先が決まっていたそうです。
何割かは専門学校に行くようだと教えてくれました。
商業高校に行く生徒は、中学の時には勉強が普通にできたと思います。
そういえば工業高校に行ったやつらは私よりも勉強が嫌いだった筈です。
商業科にいった友人は、簿記3級を持っています。
商業高校では、そろばんや電卓検定の他、英検も取らせるようでした。
ビジネスのマナーとか食事のマナーも授業でやったと友人は言っていました。
でも「簿記3級なんかもっていても、なんの役にも立たないぞ」と言うのです。
そりゃ持っているから言えるけど、
友人は就職の履歴書に日商簿記3級を書いていました。
英検も5級か何か持っていました。
そう言うものが履歴書に書けることはうらやましく思いました。
私は普通科で、勉強はしていませんでしたから
何も資格も仕事に関する知識もないのです。
・工業高校は仕事に役立つ資格や知識が身に付く
工業高校のことを考えたら、私も工場高校に行けば良かったと思うようになりました。
でも技術家庭科の授業も嫌いでした。
学校の授業は美術の授業位しか好きでありません。
工業高校に行った人は
危険物、溶接、機械図面、建設機械の運転や
フォークリフトなどの特殊免許などの資格も持っているし、
仕事に役立つ知識をもっています。
農業科でも 栽培方法や家畜や耕運機のことなどの農業の仕事をやる専門的知識があります。
さらに工業高校に行っていれば、受験は必要でしょうが、
建築士や自動車整備士も受験できるし、電気工事士も免除科目があります。
土木科だって測量士補も取れるし、測量の技術だってあります。
工業高校に行った奴らは義務教育の勉強は嫌いらしいですが、
自分が就きたい仕事に関する学習なら嫌でなかったのではないか と思いました。
自分の興味があることなら 学ぶことができるのではないかと考えました。
少しは何か仕事につながる勉強をして、資格を取ろうと思いました。
でもどんな資格があって、自分ができそうな資格はあるのか、
どんな仕事についたらいいのかが、わからないのです。
本屋に行って資格の本を買いました。
【遊びと言われた事も、それが職業になると】
・自分ができそうなことなら 学習できそう
学校の勉強が嫌いな同級生たちも、
自分が就こうと思っている仕事にかかわる勉強はできるようです。
自分の趣味や関心のある本を読むことは勉強とは言わないと思っていました。
国語や英語だけが勉強だと思っていました。
しかし、職業に関する本を読むことも中学校を出れば勉強になるようです。
音楽の本を読んでラッパを吹いていた奴も、音楽大学に行けば勉強になります。
お菓子作りばかりやっていた中学生も、
その時は「お菓子ばっかり作っていないで英語の勉強もしなさい」
と言われますが、
調理学校に行ったら お菓子作りは遊びでなくて、勉強になります。
朝から晩までバイクをいじっている子も
自動車の専門学校に行けば、勉強熱心な学生と言われます。
ラッパばっかり吹いていても、お菓子ばっかり作っても、
バイクばっかりいじっていても、
英語の本は全く読まなくても、勉強熱心だといわれるのです。
そう言うのっていいなと思います。
好きなことを懸命にやっても、それが仕事だと熱心だと言われ褒められるのです。
英語の勉強も化学の勉強もしなくても
工場高校、農業高校、調理の専門学校に行って早くから
自分のやりたい職業のことを学ぶことは、遊びではありません。
学習になるのです。
そういう自分の好きなことを教えてくれる学校に行けばよかった。
しかし、もう遅いし・・・、
自分がやりたい仕事はまだありませんでした。
何がやりたいか、やりたい仕事が見つかるといいなあと思っていました。
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【電気工事士の資格はいいのではないか】
・仕事につながる好きなことは何? 何かいい資格はあるか?
世の中にどんな仕事があるのかが、
資格の本を見たら ある程度分かるようになってきました。
こんな資格を持っているとこんな仕事ができる、
こんな検定を学ぶと、こういう作業をすることになる。
と仕事や職業のことが分かります。
資格や技能士、検定を受ける場合、学歴や職歴が必要なもの も出てきます。
誰でもどんな資格でも受けられるわけではありませんでした。
資格を受けるのにも制限があるのです。
大学などを卒業しないと受験させてもらえない資格もたくさんあります。
チャンスさえ与えてくれないんだ と残念に思いました。
そんな中で 高卒で実務経験もない人が受験できる資格を探しました。
・自分の関心があることで、できそうな資格があるか
自分は何ができそうか、
どんなことが好きなのかな、
何に興味があるのか
できそうな仕事は何か?
考えてみると
漫画を描く、プラモデル作る 釣り テレビ ドッチボール 野球が好き
・・・でした。
こんなもので仕事はありませんでした。「何にもないじゃない!」
仕事っぽいことで何かないかと考えると、
シャベルで穴をほって遊んだり、花の種をまいて育てたり
家のテレビの中をあけたり、モーターの付いているプラモデルで遊んだり
電子工作で遊んでいました。
すると、資格の本に測量士や土木施工、電気工事士の資格が見つかりました。
電気工事士なら、できそうな気がすると思いました。
照明器具を付けたり、アンテナやエアコンをつけることなら楽しそうだ。
かっこいい仕事だと思いました。電気が分かるとすごいし、
電気は生活になくてはならないものだから いんじゃないかと思いました。
電気工事士は受験資格もなく誰でも受けられるし、
専門職であり電気の知識は絶対に必要だ。
技術職で、馬鹿じゃなれないと思い、これにチャレンジしようと思いました。
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